第５回
記憶（１）
感覚記憶と短期記憶
作動記憶 記憶の種類
課題
潜在記憶の例をあげなさい
感覚記憶と短期記憶の日常例は？
記憶の種類
感覚記憶
作動記憶，長期記憶
宣言的記憶，手続き的記憶
古典的条件づけ
意味記憶とエピソード記憶
潜在記憶と顕在記憶
感覚記憶
ごく短い時間，大量の情報を保持
感覚記憶の測定
部分報告法
スパーリング(Sperling, 1960)
T P L F
X N S B
W K H G
全体報告
→ ４〜５文字
直後に音をならす
高い音 → １行目を報告
中程度の音 → ２行目
低い音 → ３行目
部分報告法
どの音が出るかは知らされない
３文字報告→正答率７５％
１２×0.75＝９文字見えていた 感覚記憶 文字が消えてから、音がでるまでの時間を操作
→ １秒以上で部分報告法と全体報告の差消失
ごく短時間の記憶（容量大）：「感覚記憶」
視覚情報貯蔵（VIS: visual information storage）
アイコニック・メモリー（iconic memory）:
ナイサー（Neisser, 1967）
聴覚：エコイック・メモリー(echoic memory)
短期記憶
短期（数秒〜十秒程度）の情報保存の働き
Short Term Memory: STM
日常事例： 短期記憶の容量
ミラー G.A. Miller : ７±２
The magical number seven, plus or minus two.
記憶範囲課題
再生可能な最大項目数７
チャンク chunk の形成 「かたまり」 要素をまとめた新たな単位
⇒STMの容量限界を克服
チャンキング の個人差
例） チェス の盤面の再現
短期記憶からの忘却
リハーサルrehearsal されないSTM内の情報は急速に失われる
短期記憶から長期記憶への転送 リハーサル Rehearsal ：
意図的方略
言語的リハーサル
維持リハーサル
単純な反復
精緻化リハーサル
知識と結びつける
短期記憶から作動記憶へ
情報の保持と処理を同時に行う
処理資源の配分
作動記憶
working memory （作動記憶）
バドリー
情報の保持＋処理
音韻ループ
視-空間的スケッチパッド
エピソードバッファ
中央実行系
宣言記憶と手続き記憶
宣言記憶
言語的・意味的記憶
手続き記憶
言語化の難しい手続きの記憶
（ひもを結ぶ，自転車に乗る，，，）
宣言的記憶
エピソード記憶
意味記憶
非宣言的記憶
手続き的記憶
（条件づけ）
宣言記憶の分類
エピソード記憶
特定の場所，時間に関連した記憶
意味記憶
特定の状況に限定されない一般的な記憶
記憶障害
←エピソード記憶，新しい情報の記憶障害
患者H.M.
手続き記憶
身体技能の記憶
自転車に乗る，自動車を運転する
キーボードを打つ
言語化，意識化が困難
認知技能の記憶
計算
言語知覚，理解
潜在学習
潜在記憶
直接プライミング
タルヴィング ほか (1982)
学習 単語のリスト
記憶テスト
再認テスト １週間後に成績低下
単語断片完成テスト 低下しない 学習の効果
プライミング効果（直接プライミング）
見たことのある単語の成績がよい
再認成績は低い（思い出せない）
潜在記憶と顕在記憶
プライミング効果はエピソード記憶とは別
プライミング効果は感覚に依存
知覚表象システム？
さまざまな記憶の統合
宣言記憶の役割
さまざまな記憶の統合
言語との結びつき
抽象化された概念 エピソード→概念
他の記憶からの変換 言語←手続き記憶
他の記憶への変換 言語→イメージ，技能
宣言記憶と作動記憶
宣言記憶の情報 ←→ 作動記憶の処理
関連
抽象化された知識 → 高度な情報処理の基礎
「思考」
Reaction paper 課題
次のような記憶は？
ネクタイを結ぶ
（ ）記憶 （潜在記憶）
pencil は「鉛筆」
（ ）記憶 （宣言記憶）
Aさんに昨日教室であった
（ ）記憶 （宣言記憶）
手続き記憶の例を挙げなさい。
次回への事前課題
写真のような記憶が、人間にとって適応的ではないのはなぜか？