第１２回 言語（２） 言語の認知
音声の知覚
音声 「イ」 ⇒ 音素 /i/
さまざまな音声 「イ」 ⇒ ひとつの /i/
カテゴリー知覚
有声開始時間 VOT
発音 ⇒ 声帯の振動
時間のズレ：物理的特性
/p/ ⇒ VOT 長い
/b/ ⇒ VOT 短い
VOT を連続的に変化させる
⇒ /b/ に聴こえるか， /p/ に聴こえるか？
連続的には変化して聴こえない
離散的なカテゴリー知覚
音声の物理的な変化 ⇒ 安定して音素を知覚
音素の知覚
音素 ⇒ 単語 ⇒ 文
実際の発話 ⇒ 音素，単語が聴き取れない
母語： 単語の順序を入れ換えると
単語が聴き取れない
＜文脈情報が重要＞
調音結合
音素の知覚 ← 文脈情報
音素＝周波数（高さ）＋時間変化
前後の音素によって変わる： 「聴音結合」
di の /d/ ≠ duの /d/
音素修復
文脈 ⇒ 単語 ⇒ 音素
トップダウン処理
ボトムアップ処理
音素 ⇒ 単語 ⇒ 文
書き言葉の認知
パンデモニアム
書かれた文字
⇒ 網膜像 ⇒ 特徴分析 ⇒ 文字 ⇒ 決定
イメージ・ 特徴 認知 決定
デーモン⇒ デーモン ⇒ デーモン⇒デーモン
事前課題
単語優位効果とは何か？
単語優位効果
単語の中の文字の認知
文字単独より正確
単語優位性
文字よりも単語が先に認知される？？
相互活性化モデル
並列処理 ＋ トップダウン処理
コネクショニスト・モデル
入力
⇒ 文字の構成要素の処理：特徴の活性化
⇒ 単語の活性化
→文字の活性化（トップダウン）
“word “ → “d” が活性化
話し言葉の認知
単語の認知
話し言葉 ⇒ 逐次的処理
＋ 並列的処理
単語のはじめの音声 ⇒ 逐次処理
↓ 単語の候補を探しはじめる
実験
視覚的に提示された文字列⇒ 単語／非単語
ship/hpsi 語彙性判断課題
↑
音声提示 captain
(1) ship ：意味的関連
(2) money ：capital（最初の音素が同じ） と意味的な関連
(3) goal （関連がない）
RT 反応時間 (1) < (2) <(3) :
captain → ship
captain → ( capital ) → money
cap… ⇒ captain → ship 活性化
↓
capital → money 活性化
活性化
話し言葉を処理するモデル
並列処理 コネクショニスト・モデル
トレース・モデル （1986）：３つの階層
音声特徴分析ユニット層
音素ユニット層
単語ユニット層
(3) 単語ユニット
↑ ↓
(2) 音素ユニット
↑ ↓
(1)特徴ユニット
活性化 ⇒ 閾を超える ⇒ 単語を認知
上の階層ほど時間幅が広い
Reaction paper 課題
相互活性化モデルでは，単語優位効果はどのように説明されるか？
文の認知
単語の認知 ⇒ 文の認知
単語の処理 ←→ 文の処理
単語と単語の関係
単語の意味ネットワーク
統語的情報の処理
⇒ 構文解析
句構造 phrase structure
文
名詞句 動詞句
限定詞 名詞 動詞 名詞句
構文解析木 parse tree
句構造規則の適用
← 生成文法 チョムスキー
解析方略
統語的知識，文法規則 ⇒ 手続き記憶
袋小路文 garden-path sentence
Since Jay always jogs a mile seems like a very short distance to him
⇒ 遅い閉鎖の方略
名詞句，動詞句に後続を取り込む
モジュラー性
統語解析 ← 独立したモジュール
特定の情報処理に特化した分析機構
統語的な知識だけを利用？
意味的知識にも影響される
The defendant examined by the lawyer turned out to be unreliable.
The evidence examined by the lawyer turned out to be unreliable.
読む時間 1＞2
談話の理解
文 → 多くの文 「談話」 「テキスト」
文と文の関係 ← 推測
日常会話の理解
「これ」「あれ」 ⇒ 推測
話題についての知識
声の調子
身振り
リーディング・スパン・テスト
reading-span test
言語情報の処理
知識の保持（作動記憶）
⇒ 容量に個人差
文の音読＋単語の保持
読解力
← リーディング・スパンの大きさ
言語産出：発話
フロムキンのモデル
意味
⇒ 統語構造
⇒ 抑揚，発音
⇒ 内容語の挿入
⇒ 機能語，接辞
⇒ 音素
並列処理モデル
意味 ⇄ 統語 ⇄ 形態素 ⇄ 音素
言い間違い
次回への事前課題
報酬が行動を強化しない例をあげなさい。
Reaction paper 課題
リーディング・スパン・テストによって何が測定できるか？