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 統計的な検定で、例えば、2つの平均値の間に本来有意な差が認められる場合に、標本サイズ(n)が小さいために検定結果が有意にならないことがあります。このような場合に、有意な結果を得るためにどの程度の標本サイズが必要なのかを、以下の手続きで決めることができます(一部、下記サイトより転載

「検定力分析プログラム G*Power3 」: gooblog/hideunuma)。

 サンプルの大きさ,有意水準(α),検定力(検出力:1-β),効果量の4 つの間には,他の3 つが決まれば残りの1 つが決まるという関係があります(村井, 2006)。
 G*Power 3は、設定した有意水準(α)、検定力(1-β)、効果量から必要なサンプルの大きさをもとめることができる(その他の組み合わせも可)ソフトウェアG Powerの最新版で、下記サイトからダウンロードできます(フリー)。

G*Power: Statistical Power Analyses for Windows and Mac

Cognitive and Industrial Psychology

Heinrich-Heine-Universitaet Duesseldorf

http://www.gpower.hhu.de/en.html

 使い方は、上記サイトのpdfマニュアル(2017版は、かなり丁寧で具体的)を参照。日本語で読めるものには、下記の水本・竹内(2010)(特に後半)などが参考になるでしょう。
 実際には実験に先立って、先行研究や予備実験から効果量を推定し、設定したαおよび目標とする1-βから、必要なサンプルの大きさを求めることになるでしょう (サンプルサイズの設計)。

 Fig.1 に出力結果の例を載せます。独立した2群の平均値の差を検定(片側)する場合で、効果量d=0.5、α=0.05、1-β = 0.95、両群のnが等しい条件(左側)で、最低限必要なnを求めています。結果(右側)では、n=88、Totalで176 となっています。

 Fig.2 に、1-β= 0.80 で同様の計算をした場合の結果を載せます。Totalでn=102 (n1=51, n2=51)となります。検定力を下げるとnは少なくてすみました。

 事後的な利用では、論文にnと効果量が掲載されていれば、αをもとに 1-βを求めることができます。このことから、効果量を論文に載せることが求められています(検定力分析 Power Analysis)。

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References

 水本篤・竹本理. (2010). 効果量と検定力分析入門 『より良い外国語教育研究のための方法』 47–73. 外国語教育メディア学会.

 

 村井潤一郎. (2006). 「サンプルサイズに関する一考察」 吉田寿夫 (編) 『心理学研究法の新しいかたち』 114-141. 東京:誠信書房

Fig.1. G*Power3.1 で、2つの独立したサンプルの平均値の差の検定で、必要なサンプルサイズを計算した。

Fig.2.  1-βを0.80 の設定した場合の n の計算結果。n=102 (n1-51, n2=51)となり、Fig.1 (1-β=0.95)の結果よりも少ないnになった。

統計の基礎的な復習のために参考サイトを掲載します。

​統計WEB

有意水準と検出力(検定力)

検出力と効果量

サンプルサイズの設計と検出力分析

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