第12回 第七部 実験の計画と実施、 結果の分析(2)
結果の解釈
1 一般化をめぐる問題: 実験操作
実験の人工性
非日常性
← 日常的状況とは何か
普遍的な「日常」?
生態学的な妥当性
生態学的妥当性の欠如
ギブソン Gibson, J. J.,ナイサー Neisser, U
人間が生きている環境
環境のなかの生態学的な関係
環境に含まれる重要な変数
実験状況の変数の関係 ← 環境の構造
2 母集団と標本
母集団への一般化可能性
被験者の代表性
「大学生の心理学」?
実験研究における母集団とは
ヒトという母集団
剰余変数が検討されているか
なにが剰余変数か?
← 理論,モデル に依存
「大学生」であることが剰余変数として結果に影響を与えるか?
例
実験的操作は,生態学的に妥当か
被験者の選択は,剰余変数として影響するか
例
Hasegawa & Unuma 201
方法
独立変数
被験者
女子大学生30名
構造記述
要素の統合
知覚される表情: 普遍性
怒り
恐れ
嫌悪
驚き
喜び
悲しみ
エックマン
Ekman, P.
「女子大学性」であることが,代表性を低下させるか?
剰余変数として,結果に影響を与えるか?
「与えると考える根拠はない」
Reaction paper 課題
実験の人工性が問題となるのは,どのような時か?
被験者の選択が,母集団への一般化において問題となるのは,どのような時か?
3 後続研究の重要性
単一の実験から得られた結果
⇒ 過度の一般化は危険
多くの研究結果が一貫しているか
⇒ 科学的知識の精度をあげる
統計的に「有意でない」結果
検定力は充分か
研究仮説が真 ⇒ 仮説を受け入れる
⇒ 仮説を棄却 (第二の過誤 β)
検定力をあげる方法 (p. 310, 表15-1)
被験者を増やす
誤差変動を減らす
概念的追試
剰余変数の存在
追試 ⇒ 剰余変数の存在の可能性が減少
同じ理論的命題を,異なる手続きで検証
⇒ 反復ではなく,「概念的」追試
統計的分析の流れ
ローデータ Raw Data
度数分布表,度数多角形
量的変数 ⇒ 数値要約 (記述統計量)
平均値
標準偏差(SD: Standard Deviation)
量的変数間の関係
相関図(散布図)
相関係数 r
外れ値 (少数の極端な値のデータ)
平均値,相関係数を歪める
← 度数分布の確認
⇒ 剰余変数の影響を検討する
外れ値に影響されない分析方法
間隔尺度 ⇒ 順位値 (順序尺度)
ノンパラメトリック検定
t検定 ⇒ U 検定
外れ値を除外
基準は?
外れ値の処理
課題に応じた値を基準とする
選択反応時間
単純反応時間
反応の分布から 2SD あるいは 3SD以上離れた値を除外
外れ値の検定
x1 測定値 μ 平均値 σ 標準偏差
2 あるいは 3 を基準とする
スミルノフ・グラブス (Smirnov‐Grubbs) 検定
相関係数の解釈
直線相関
Pearson の積率相関係数 : r
曲線相関
相関比 : η2
偏相関係数
疑似相関をみつける
Pp.337-340
表16-3
機敏さ X,得点能力 Y,身長 Z
相関係数
x 機敏さ
y 得点能力
何を意味しているか?
相関を評価する
偏相関係数
x 機敏さ
y 得点能力
z 身長
次回への事前課題
統計的検定における第1種の誤りとは?
Reaction paper 課題
X 勉強時間
Y 成績
偏相関から何が言えるか
Z 勉強のスキル