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第3回

第二部 独立変数の操作 

独立変数の操作:種類と手続き化

 

 

独立変数の種類

独立変数 表 4.1

• 直接的 

• 概念的  

• 「自尊心の低下」:概念的(心理変数)

 

 

 

• 明るさの刺激閾の測定   

  精神物理学的測定法 (恒常法)

– 独立変数 : 物理的な明るさ

手続き:光源の輝度   

 

– 従属変数 : 「見えた」という反応

手続き : 反応の生起確率 50%

 

恒常法

• 決められた数(4~8個)の刺激

• ランダムな順序で各刺激50~200回被験者に提示

• 刺激変化と判断比率Pとの関数(回帰直線など)

• → 心理的定数

(P=50、75%となる刺激値など)

 

 

手続き化

具体的手続き 

→ 多重の意味(他の心理変数?)

 

例:自尊心の低下 → 違反行動の増加

• 成績のフィードバック

→ 自尊心の低下 or    怒り 

 

補助仮説は適切か? 

純化

独立変数の具体的手続きへの忠実な翻訳

 

• 手続きが充分に洗練されていない場合

– 独立変数 「アイコンタクト」

– 具体的操作手続き アイコンタクトの仕方,訓練

– 剰余変数の統制 

 

 

• 操作が多重の意味をもつ場合

– 独立変数 「自尊心の低下」

– 具体的操作手続き 「成績のフィードバック」

→ 自尊心の低下 or    怒り

 

どのようにして多重の意味を「純化」するか

– 被験者の受け取り方を考慮

– 多重操作

 

 

 

多重操作

• 実験的な操作手続きの意味を限定する

– 複数の手続きに翻訳

 

– 独立変数 「自尊心の低下」 手続き 「成績のフィードバック」

  + 「友人との仲違い」  同じ結果 ← それぞれの「意味」の共通点

 「他の説明の可能性」 を排除する

  (多重の意味 → 限定)  p.51

 

独立変数の効果の最大化

仮説の検証

↑ 独立変数の従属変数への影響

 

独立変数の効果の最大化

←→ 不充分な効果では,仮説を検証できない

 

• 独立変数の効果を最大にする「手続き化」

 

「強い」操作

 

 水準間の差:最大

 水準内の差:最小

 

水準の決定:パイロットテスト

• どのような水準を設定するか

 

独立変数:自尊心

手続き:試験結果のフィードバック

どのように?

 

先行研究 → 標準的な手続き

新たな実験 → パイロットテスト(予備実験)

「強い操作」の問題点

• 独立変数のインパクト

 一人一人の参加者への影響の強さ

 

• 操作の強さ → 多重の意味を限定

  「きちんとした身なり」

→ ネクタイ

← インパクトの減少

 

• インパクトの低下

→ 独立変数の効果を検出できない

 

→ 他の変数の影響が混入

– 「観察反応」 

被験者が観察されている影響

– 個人差

• インパクトと強い操作のバランス

操作の「強さ」 と インパクト

• 「強い」操作

– より限定的,抽象的

 

• インパクト

– 意図した変数が,どの程度に個人に影響していたか

 

• 強い操作

 

(Unuma & Hasegawa, 2010)

 

 

• 強いインパクト

(Ekman, 2003) 

手続きの標準化

• 手続きの代表性

– 直接的独立変数

• 標準的手続き ← 妥当な物理的操作

 

– 概念的独立変数を適切に代表しているか

• 純化と多重操作

 

 

• 手続きの一定化

– 再現性

– 検証可能性

 

• 心理的等価性

– 一定化 vs. 心理的等価性の確保

• 教示の工夫

• 効果の確保

– 例) 学習の効果

 

手続きの妥当性

• 妥当な手続きとは

– 内的妥当性

確かに独立変数が原因か 

– 外的妥当性

• 実験における因果関係が一般化できるか

 

– 構成概念的妥当性

• 実験手続きは,目的とする概念の代表になっているか

 

 

内的妥当性

• 確かに独立変数が原因か?

– 従属変数にあらわれた結果が,独立変数以外の原因によって生じていないこと

 

– 剰余変数

– 観察反応  (観察されることの影響)

– 実験者バイアス (実験者の期待)

 

内的妥当性への危機

• ホーソン効果

– ホーソン実験

– 照明実験

• 工場作業における照明の作業能率への影響

• 独立変数: 照明

• 従属変数: 作業能率

– 結果

• 照明を低下させても作業能率は低下しなかった

– 被験者に選抜されたことが影響

 

 

対処法を考えなさい

 

 

• 対照群(統制群)の設定

• 盲険法

 

• プラセボ効果

– 偽薬効果

 

• 盲険法 blind method

– 二重盲検法

 

 

外的妥当性

• 実験における因果関係が,実験の被験者や手続きを超えて一般化できるか?

 

– 実験の目的の範囲

– 実験の要素が,どれだけ代表的か

• 被験者,実験者,場所・状況,手続き,

 

• 「大学生の心理学」?

 

• 仮説の検証 → 理論への一般化

• 現実への一般化

構成概念的妥当性

• 具体的手続きが,意図した心理学的概念の代表になっているか

 

手続きの多重的意味 → 純化,多重操作

 

研究例  

独立変数はどのように多重操作されたか

Reaction paper 課題 

• 内的妥当性とは何か? 

• 外的妥当性とは何か?

簡潔に説明しなさい。

 

• 概念的妥当性とは何か、例をあげて説明しなさい。

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