第６回

剰余変数の統制（２） 直接的統制　要因計画

 

直接的統制

• 環境変数

– 騒音

– 明るさ

– 気温

何が影響与えるか？

 

• 個別変数

– 剰余変数の統制　←　科学的知識，学問の水準

– 先行研究の活用

 

直接的統制の例

• 反応時間の測定において，考慮される剰余変数

– フォアピリオド　

　予告刺激と検査刺激の時間間隔

– 被験者の内的基準

　速さと正確さのトレードオフ　

– 選択肢の数

　単純反応時間と選択反応時間 

 

– 刺激強度

　視覚刺激の明るさ

　聴覚刺激の大きさ

– 刺激モダリティ

　視覚刺激　　　聴覚刺激

– 反応方法

　手の左右差

　刺激-反応適合性

 

– 疲労と学習

 

• その他の注意点

– 誤答の除外

– はずれ値

 

要因計画

• 要因計画とは何か？ミューラーリヤー錯視で，鋏角と辺の長さの効果を検討する実験の例で，具体的な要因計画を立てなさい。

 

要因と水準

• 要因

ML錯視

鋏辺の角度，辺の長さ　２要因

• 水準

　鋏辺の角度　→　１５°，３０°，４５°，６０°，７５° 　：５水準

　辺の長さ　３水準

 

要因計画：　５×３　の２要因被験者内計画

 

被験者間要因

• ２要因被験者間計画

– 記憶法（イメージ／暗記）　２水準

– 単語（具象語／抽象語）　２水準

 

２×２　４条件　に n 人　ずつ無作為に配置：4n 人

 

被験者内要因

• ２要因被験者内計画

– 記憶法（イメージ／暗記）　２水準

– 単語（具象語／抽象語）　２水準

 

２×２　４条件　を n 人　が経験：　n 人

 

課題

考慮すべきことは何か？

 

 

• 残留効果（慣れの効果，学習効果）

• 実施順序

– ４条件をランダムに実施（無作為化）

– カウンターバランス

 

– 残留効果が大きい時は限界

 

 

混合計画

• 被験者間要因

– 記憶法（イメージ／暗記）　２水準

• 被験者内要因

– 単語（具象語／抽象語）　２水準

 

イメージ条件にn 人，暗記条件にn人

同一被験者が具象語／抽象語を経験　

2n 人

注意する点は何か？

 

 

• 被験者間要因

記憶法（イメージ／暗記）　２水準

 

　無作為に配分

　組織的配分（平均値等化，対等化法）

 

• 被験者内要因

単語（具象語／抽象語）　２水準

 

残留効果

　カウンターバランス

　無作為化

 

 

 

交互作用

• 要因計画の利点

• 同時に２つの独立変数の効果を検討

• ２つの変数の関係（交互作用）の検討

 

課題

図　6-4 (a) (b) から言えることは何か？

 

 

 

• 主効果　

– 要因Aの効果　　記憶法（暗記／イメージ）

– 要因Bの効果 単語（具象語／抽象語）

• 交互作用

– 要因AとBの交互作用

 

 

交互作用が有意な場合

• 主効果からは結論が出せない

 

 

• 単純（主）効果

– 要因BのB1水準における要因Aの効果

　具象語における記憶法の効果

– B2におけるA，A1におけるB, A2におけるB

 

３要因の場合

• 交互作用

A×B，A×C，B×C　１次の交互作用

A×B×C ２次の交互作用

←Cの水準によって，AとBの交互作用の大きさが異なる

​

Reaction paper 課題

• 図　6-4 (a) から言えることは何か

• 図　6-4 (b) から言えることは何か