第8回 現実場面における実験(2)
準実験 (縦断的比較) 単一事例実験
• 準実験
剰余変数の統制が不十分
ある程度の確からしさで因果関係を特定
実行可能性が高い
• 横断的
事前テスト
複数の対照条件
不等価従属変数の導入
縦断的 準実験
• 対照条件が設けられない
• 配分がおこなわれない
事前課題
• 一群事前事後テスト計画では,介入の効果以外のどのような要因の影響が否定できないか?
• 例
情報技術の導入の効果
対照条件(非導入校)の設定が困難
実験条件(導入校)のみで因果関係を検討
事前テストと事後テスト
• 一群事前事後テスト計画
事前テスト → 導入 → 事後テスト
因果関係の特定が困難
「偽実験」
事前テストの練習効果
事前と事後の間の自然変化
導入時期における他の要因の混入
• 複数回の事前事後テスト
導入の直前と直後のみの変化
↓ 練習効果,自然の変化 による説明の排除
• 事前,事後テストの回数を増やす
• 不等価従属変数の導入
↓
他の変数の効果による説明が弱められる
「中断時系列計画」
• 介入の導入と「撤去」
• 反復
• 横断的比較と縦断的比較の併用
単一事例実験
小数n実験
• 介入の導入と撤去 反復
• 行動分析 behavior analysis
– Operant 条件づけ
– 一般化の可能性
実験法のまとめ
• 因果関係の特定
• 現実性
• 実行可能性
– 倫理的許容
– 機会
• 被験者の代表性
• 目的に適した方法の選択
• 方法の改善
• 相補的な実施
Reaction paper 課題
• 縦断的準実験の工夫例をあげなさい
研究例:変換視研究
上下逆転
左右反転
ストラットン Stratton, G. 1896,1897
コーラー Kohler, I 1951
牧野達郎 1963
上下逆転・左右反転視野の知覚
3日目
11日目
30日目
37日目
変換視実験(逆さ眼鏡)では,なぜ,単一事例(小数n)実験が可能か?
• 独立変数の操作は,内的妥当性をもつか
– 視野変換 ⇒個人差が少ない
• 従属変数(言語報告)は信頼性をもつか
– 現象観察報告 ⇒ 多義性が少ない
– 行動観察
事前課題
• 実験に参加する時に,暗に被験者が受ける影響にはどのようなものがあるか?