第5回 運動の制御機構(2)運動と記憶、身体
運動における予測の役割
予測による反応時間の短縮
受容器予測 何が起こるか予測
効果器予測 動作を見積もる
予測 ← 手がかり
「ボールを見る」 ← いつ,どこを
身体の予測
ボールの軌跡 = バットを振る
一致させる
短い時間の調整 0.2 秒
知覚ー運動連関 → 「先回り」
姿勢調整
「構え」
予測の役割
動作目標
姿勢の調整
運動における速さと精度
速度–精度相反性
一般に,
作業速度が上がると → 精度は低下
身体運動の場合,
最大力量の60%まで 速度–精度相反
それ以上では,精度は上昇
習熟者の例外
習熟者
速度低下
→ 精度も低下
自動化された運動が阻害される?
Reaction paper 課題
運動における速さと精度には、どのような関係があるか?
身体運動の協応構造
歩く → 走る
「歩容パターン」(アトラクタ)の変化: 相転移
習熟差と相転移の速度
エリート競泳選手
短距離(100m以下) → 長距離
泳速 1.8m/s :身体運動の協応の変化
環境との相互作用
対象物に応じた手の動き
時間圧と運動パターンの切り替え
基本パターン
→ 新たな運動パターン
(数学的な規則性)
身体運動とリズム
リズムの引き込み
音楽 → 運動が同調
リズムとゆらぎ
ジョギング時のストライド間隔 → ゆらぎ
フラクタル解析
動作の正確性,制御の柔軟性
リズミカルな運動とリズミカルでない運動
リズミカル リズミカルでない
予測が容易 予測が困難
両方の練習
リズムとメンタルヘルス
ジョギング/ウォーキング → 抑うつの低下
自己組織する身体運動
自己組織化
全体の秩序 → 要素部分
相転移と制御変数
全体の変化:相転移
← 制御変数
ゆらぎの役割 → 相転移
学習の進行
自己組織する身体運動
図Ⅱ-1ǡZ 両手の協調動作
逆相 → 同相 相転移
自己組織化:生得的に安定したパターン
運動の熟練者 → 生得的パターンを抑制
身体運動の制御
← 制御変数の発見,操作
対人・集団行動のダイナミクス
対人行動のダイナミクス
引き込み現象
図Ⅱ−12
異相同期 → 同相同期へ
周期:制御変数
集団行動のダイナミクス
図Ⅱ−13
チーム間距離 → 局面の変化:分岐
大人
次回への事前課題
運動の学習
一定練習と変動練習は、どちらが有効か?