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 心理統計法の講義のなかで,学生さんがつまづきやすい個所を列挙しますので,自分の理解が不充分と思われる方は特に気をつけて学習してください.なお,試験の出題とは必ずしも関係はありません.念のため.

 

心理統計法(1)(記述統計):

① 標準偏差,分散の計算

② 標準(単位)正規分布の表を利用すること     標準正規分布の表は必ず統計の本には掲載されています.つねに正規分布のグラフ(横軸 z)を考えながら,0から z までの面積(確率)と z の関係を理解してください.通常 z の値は0から4か5程度までしか載せられていませんが,それでたいていは充分なのです.どうしてでしょうか? z が負の値の時はどうしますか?コンピュータをつかって計算する場合でも,これらの理解がなければ利用できないでしょう.  また,推測統計(後述)でも同様の考え方を使います.

③ パーセンタイル順位とはなんですか?  得点が正規分布しなくともパーセンタイル順位はある得点の全体のなかでの相対的な位置をあらわすために使用できます.正規分布していればどのように使えるでしょうか?上の標準正規分布の表とあわせて考えてください.

④ 標準得点( z),偏差値(Z)はどのようにして算出しますか?

⑤ 相関係数の特徴・性質にはどのようなものがありますか?

⑥ 回帰係数とは何ですか?

 

心理統計法(2)(推測統計)

① ランダムサンプリングとはどのように行いますか?

② 帰無仮説とは何のために,どのように立てますか?

③ 標本抽出分布,標準誤差とは何を意味しますか?

④ 有意水準,臨界値,棄却域,両側検定,片側検定とはそれぞれ何ですか?     有意水準(危険率ともいう):帰無仮説H0が正しい(真である)とき誤って棄却してしまう(「第1種の誤り」という)確率で,αであらわします.通常これを一定に設定(α=0.05 あるいは 0.01)し,帰無仮説を棄却する場合の基準とします.(下記⑤参照)

⑤ z  や  t 分布をつかって検定する例を理解しましたか? データから得られたp は何をあらわし,どのように検定に使われますか? p値とは,帰無仮説が正しい(真)とした時,データから計算した統計量(t,F,χ2など)の値よりも大きな値(両側検定の場合はより大きな絶対値)が出現する確率のことです. pの値があらかじめ設定した有意水準(α:5%あるいは1%など)よりも小さければ, p<α と書いて帰無仮説を棄却します.つまり対立仮説(研究仮説)を受け入れます.p>αならば帰無仮説は棄却できません.

⑥ t 検定はどのような時に使われますか?

⑦ データに「対応(関連)がある」とはどのようなことですか?

⑧ 分散分析がおこなわれるのはなぜですか?

⑨ 分散分析のなかで F はどのようにして算出されましたか?

⑩ 分散分析の結果,p から検定の結論を導くことができましたか?

⑪ 名義尺度データで行われるクロス集計(分割表の作成)とはどのような集計ですか?

⑫ 分割表で2つの変数が独立であるのはどのような場合ですか?

⑬ カイ2乗検定とはどのような時に使われますか?

 

 試験の結果によって何を学習するべきか,目安を示します.

前期試験

AA~A:後期の推測統計で利用される z 分布をもう一度確認しておきましょう.また相関係数は,高学年でより複雑な処理に使われます.コンピュータも含めて,関連する科目を履修してより進んだ統計の学習してください.

B~C:上記心理統計(1)の 2,3,4 および 6 を確認してください.

D:もう一度ポイントを確認して学習しましよう.なお,出席が極端に少なかったひとはまず,出席することがポイントです.うまくいかなければ,学生相談室や担任に相談してみてはどうでしょうか?

後期試験

AA~A:今後,分散分析は3要因ぐらいまでは必要になります.また実験計画法と呼ばれる分野ではより精密なデータ収集法が工夫されています.2年次以降,関連科目で理解を深めてください.

B~C:統計的検定の論理(上記,心理統計法(2)特に②~⑤)を復習しましょう.

D:まず,毎回の授業の後,必ず復習をしてください.とくに具体的な計算(上記,心理統計法(2)特に⑥~⑬)を自分で実際に電卓でおこなってください.

(2 Feb. 2005)

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