第12回 第四部 剰余変数の統制(2):個体内変動の統制 直接的統制
1 試験
シラバスに示した予定にしたがって、下記のように試験を行う。
実施日
7月26日(金曜) 講義の時間、教室 (試験時間60分)
(評価の60%)
2 注意事項
2-1 必ずテキストと配布資料(図表を除きCourse N@viに掲載済み、再配布は行わない)を持参すること。
試験では、テキストを参照しながら解答を求める問題が出題される予定である。
なお、テキスト、配布資料以外の紙資料(コピー等を含む)の持ち込みも可とする。
2-2 学生証を必ず持参すること。忘れた場合は、事務所で証明書を発行してもらうこと。
2-3 試験場でのテキスト、資料等の貸し借りを禁止する。
2-4 電子機器(スマートフォン、辞書、PC等)の使用は全て禁止する。使用が確認されれば不正行為とみなす。
3 試験結果
CouseN@vi上で、試験結果についてのフィードバックを行う。
課題レポート
以下のサイトのビデオを視聴し、その内容と感想を400字以内でCourse N@viで回答すること。
TED エリザベス・ロフタス:記憶が語るフィクション
約18分 日本語字幕つき
https://www.ted.com/talks/elizabeth_loftus_the_fiction_of_memory?language=ja
提出期限は 7月16日深夜 (評価の10%)
被験者内計画
同じ被験者が,すべての実験条件に参加
剰余変数:個体内変動
実験例
ミューラー・リヤー錯視 (第7回)
調整法
上昇系列
下降系列
上昇系列
下降系列
系列の影響
固執効果(固執誤差)
期待効果(期待誤差)
空間配置の影響
異方性
カウンターバランス
上昇系列と下降系列の平均をとる
→ 固執効果の相殺(カウンターバランス)
← 慣れの効果(残留効果)の混入
時間変数(慣れの効果,練習効果,疲労効果)
←複数の試行を同時におこなうことができない
Reaction paper 課題 1
上昇系列と下降系列の慣れの効果を相殺する(カウンターバランス)方法をあげなさい
上→下→下→上
異方性(右/左)と上昇/下降系列の2変数では?
右上→左下→左上→右下→
左下→右上→右下→左上
平均順位 右 (1+4+6+7)/4=4.5
左 2+3+5+8
上 1+3+6+8 下 2+4+5+7
ABBA法
時間変数をカウンターバランス
時間経過と時間効果の線型関係を前提
ABBA
BAAB
さらに,それぞれ被験者を増やす
時間変数の効果が線型ではない
右上→左下→左上→右下→
左下→右上→右下→左上
異なる被験者で 裏返しの系列
左下→右上→右下→左上→
右上→左下→左上→右下
→ 個人差 ?→ 被験者を増やす
無作為化
右上,右下,左上,左下 の4条件を
同じ回数,ランダム順におこなう
(無作為化による時間変数の統制)
研究例 pp.110-111
抽象語と具象語
→ 「憶えやすさ」 を比較
独立変数(抽象/具象)
従属変数 (再生数)
剰余変数
単語による「憶えやすさ」の差
↓
抽象語 10語
具象語 10語
時間変数 (順序効果)
20語の提示順序
→ 被験者ごと 提示順序を無作為化
時間変数(順序効果)を 統制
抽象語 具象語 別に
平均再生数 を比較
Reaction paper 課題 2
無作為化か,カウンターバランスか
カウンターバランスは,どのような時に困難か?
無作為化は,どのような時に有効ではないか?
試行数が(少ない,多い)時
試行数(条件の組み合わせ)が多いとき → カウンターバランスが困難→無作為化
試行数が少ないとき → 無作為化が困難 → カウンターバランス(組織的配分)が適
直接的統制
環境変数
騒音
明るさ
気温
何が影響与えるか?
個別変数
剰余変数の統制 ← 科学的知識,学問の水準
先行研究の活用
直接的統制の例
反応時間の測定において,考慮される剰余変数
フォアピリオド Foreperiod
予告刺激と検査刺激の時間間隔
被験者の内的基準
速さと正確さのトレードオフ Speed-accuracy trade-off
選択肢の数
単純反応時間と選択反応時間
刺激強度
視覚刺激の明るさ
聴覚刺激の大きさ
刺激モダリティ
視覚刺激 聴覚刺激
反応方法
手の左右差
刺激-反応適合性(stimulus-response compatibility)
疲労と学習
その他の注意点
誤答の除外
はずれ値
次回への事前課題
第13回
要因計画
要因計画とは何か?ミューラーリヤー錯視で,鋏角(5水準)と辺の長さ(3水準)の効果を検討する実験の例で,具体的な要因計画を立てなさい。