第12回:錯視(2)
空間知覚と錯視 その他の錯視説
1 試験について
シラバスに示した予定にしたがって、下記のように試験を行う。
実施日
7月26日(金曜) 講義の時間、教室 (試験時間60分)
(評価の60%)
2 受験上の注意事項
2-1 必ずテキストと配布資料(図表を除きCourse N@viに掲載済み、再配布は行わない)を持参すること。
試験では、テキストを参照しながら解答を求める問題が出題される予定である。
なお、テキスト、配布資料以外の紙資料(コピー等を含む)の持ち込みも可とする。
2-2 学生証を必ず持参すること。忘れた場合は、事務所で証明書を発行してもらうこと。
2-3 試験場でのテキスト、資料等の貸し借りを禁止する。
2-4 電子機器(スマートフォン、辞書、PC等)の使用は全て禁止する。使用が確認されれば不正行為とみなす。
3 試験結果
CouseN@vi上で、試験結果についてのフィードバックを行う。
春学期課題
Course N@vi を利用して,以下の課題(現象観察の記述)を期限までに提出
NTT Illusion Forum イリュージョンフォーラム
http://www.brl.ntt.co.jp/IllusionForum/
自由に3つを選択し,それぞれについて,(1)錯視の名称,(2)現象の記述(どのように見えたか),(3)観察した感想および意見,を文章で200字程度
期限 2019年7月19日 深夜 (評価の10%)
事前課題
ミューラーリヤー錯視について,同化説以外の説をあげなさい。
参考図書
大山 正 (2000) 視覚心理学への招待
―見えの世界へのアプローチ
サイエンス社
錯視と空間知覚
錯視と遠近法・空間知覚
Ponzo 錯視
線遠近法 直線の収束
大きさの恒常性と錯視
大きさの恒常性
大きさの恒常性
知覚される大きさ:ほぼ一定
size constancy
見えの大きさ ← 見えの奥行き
エンマートの法則 Emmert’s Law
一定の網膜像(残像)の見えの大きさ S’
:投影面の距離に比例
Muller Lyer 錯視
Gregory 1963,1966,1967,1968
遠近法理論
1次過程:奥行き手がかりスケーリング
奥行き手がかり→見かけの大きさ
奥行き感は抑圧←紙の平面
暗黒に提示→見かけの奥行き感の出現
2次過程:仮説スケーリング
見かけの奥行き,構え→見かけの大きさ
cf Necker Cube 反転→大きさの変化
Ponzo, ML錯視←1次過程の(不適切な)適用
Gregory 説に対する批判
奥行き手がかり→(奥行き感)なし
→見かけの大きさ
恒常性のメカニズムとは何か?
奥行き知覚←随伴現象,あるいは結果?
評価:日常生活,3次元空間への適応の
一般的メカニズムの反映
錯視量と斜線の長さ,角度
反復による錯視量の減少
Reaction paper 課題1
ML錯視についてのグレゴリーの説はどのようなものか?
その他の錯視説
眼球運動説
ヴント
オッペル・クント錯視 ← 眼球の停留
ミュラー・リヤー錯視
← 外向図形:主線を超えて視線が移動
短時間提示による反証
Oyama & Morikawa 1984
短時間提示(0.025秒)でも錯視が成立
眼球運動レディネス説
フェスティンガー :眼球運動の準備状態(readiness)、プログラムが長さの知覚を規定
反復による錯視量の減少 ← プログラムの修正
空間周波数説
低空間周波数が錯視を規定
ギンスバーク Ginsberg 1986
空間周波数
最も高いコントラスト感度(閾の逆数)
3 cycle/deg
空間周波数に選択な順応
空間周波数帯ごとに異なった情報処理機構
錯視研究の意義
錯視の異方性
方向弁別の一般的特性
空間知覚の特性
方向検出器
大きさの錯視
比率が規定
距離が規定しない
錯視と遠近法
大きさの知覚の理論
恒常性の理論
眼球運動の役割
空間周波数の影響と処理機構
一般的な空間知覚理論と錯視研究の関連
Reaction paper 課題 2
幾何学的錯視の研究の意義について,あなたの考えを述べなさい。