第14回 精神物理学的測定法(2)
恒常法 反応時間 • その他の行動的指標
恒常法
実験者が刺激を不連続に変化 (極限法、上下法と同じ) • 一定方向でなく、ランダム順に提示 (極限法、上下法と異なる)
測定値が独立 → 高度な処理に適切
• 恒常法(method of constant stimuli)
• 決められた数(4~8個)の刺激
• ランダムな順序で各刺激50~200回被験者に提示
• 刺激変化と判断比率Pとの関数(回帰直線など) → 心理的定数 (P=50、75%となる刺激値など)
• S字型関数(sigmoid, ogive) – 累積正規分布
• 心理測定関数(psychometric function)
• 恒常法の例
形の知覚(主観的輪郭線)
• 輪郭の生成 ← 生成時間?
提示時間を操作
• 恒常法の特徴
刺激の大きさや変化方向などについて被験者は無知(無知手続き)
→ 心理的定数を正確に求められる
• 最も適用範囲は広い
• 実験の所要時間は長い
→ 疲労や順応の影響を受けやすい
Reaction paper 課題
恒常法の特徴を,調整法や極限法と比較しながら,述べなさい。
精神物理学
(心理物理学 psychophysics)
ウェーバー Weber 1840’
例)標準重量 I,比較重量
→ 弁別閾 ΔI
100g → 2
200g→ 2 ではなく4g
ΔI/I=一定
ウェーバーの法則
反応時間とその他の行動的指標
• 知覚(見えている内容)や意識(感じ考えている内容)を客観的にとらえられるか
内観法の限界は ?
• 客観性
– 知覚や意識状態を反映しているか:妥当性
– 信頼性,精度は?
幼児や動物に適用できるか
• 現象を観察 → 知覚 → 反応
現象報告 知覚と反応の対応
反応の妥当性 何に対応するか
精度は?
• 精神物理学
見える 見えない (わからない)
2件あるいは3件法
• 見えているか,否か
反応時間 → どのように処理したか
知覚の強さ,明確さ
• 反応時間
視覚探索
心的回転
視覚探索 visual search
ポップ・アウト pop-out
妨害項目の数の効果
心的回転
• 心的イメージ → 直接には観察不可能
反応時間 → 心的回転(イメージ過程)の検証
• 馴化と脱馴化
乳児の視覚
遮蔽された物体を一体として見ているか
運動の影響
同一のものは見なくなる(馴化)
新奇なものは、再び見る(脱馴化)
• Kellman & Spelke (1983, 1987)
• 遮蔽された物体を一体として見る
← 運動の効果
• 馴化/脱馴化による行動の観察
→ 知覚の客観的観察